YouTube SEO対策に取り組んでいるのに、思うように再生回数が伸びない。
そんな悩みを抱えている中小企業の担当者は多いのではないでしょうか。
実は、YouTube SEO対策で多くの企業がつまずくのは「やり方を知らない」からではありません。
「どのキーワードを狙うべきか」の判断基準が間違っているから、成果につながらないのです。
この記事では、競合が少ないキーワードの見つけ方と、再生回数が少なくても問い合わせにつながった実際の事例をもとに、YouTube SEO対策の正しい考え方をお伝えします。
YouTube SEOで「競合が多いキーワード」を狙うと失敗しやすい理由
大手チャンネルと同じキーワードで戦う必要はない
YouTube SEO対策を調べると、「人気キーワードを狙いましょう」「検索ボリュームの大きいキーワードを選びましょう」という情報によく出会います。
しかし、これは登録者数が多い大手チャンネルや、すでに視聴回数の実績があるチャンネルに有効な戦略です。
チャンネルを立ち上げたばかりの企業、あるいはまだ実績が少ない段階で人気キーワードを狙っても、YouTubeのアルゴリズムは視聴実績のある動画を優先的に表示します。
いくらタイトルや説明文にキーワードを盛り込んでも、競合チャンネルの壁を越えるのは非常に難しいのが現実です。
企業がYouTubeに取り組む目的は、登録者数を増やすことではなく、集客や採用につなげることのはずです。
であれば、大手と同じ土俵で戦うよりも、自社にとって戦いやすいキーワードを選ぶ方が、はるかに合理的な判断です。
再生回数が多くても成約につながらないケースがある
「再生回数が増えれば問い合わせも増える」と思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。
再生回数が多いキーワードで上位表示できたとしても、そこに集まる視聴者があなたのサービスのターゲットとは限りません。
例えば「YouTube 始め方」のような幅広いキーワードで再生されても、視聴者の多くは個人のクリエイター志望者です。 法人向けのYouTube支援サービスへの問い合わせにはつながりにくいでしょう。
一方で、「〇〇業界 採用 YouTube」のような具体的なキーワードで検索している視聴者は、すでに課題が明確です。
再生回数が少なくても、問い合わせにつながる確率は格段に高くなります。
YouTube SEO対策の目的は、再生回数を最大化することではありません。
「自社のサービスを必要としている人に見つけてもらうこと」です。
この前提を押さえておくだけで、キーワード選びの基準が変わってきます。
競合が少ないキーワードを見つける唯一の方法
YouTubeの検索窓サジェストだけ見ればいい
競合が少ないキーワードを見つけるために、まず使ってほしいのがYouTubeの検索窓です。
検索窓にキーワードを入力すると、関連するサジェストが一覧で表示されます。
このサジェストは、実際にYouTube上で検索されているキーワードをもとに生成されています。
やり方はシンプルです。 まず大まかなテーマのキーワードを入力して、表示されたサジェストを確認します。
次に、そのサジェストの中からさらに具体的な言葉を選んで入力し直し、より詳細なサジェストを確認していきます。
この繰り返しで、ニッチなキーワードを見つけることができます。
例えば「YouTube 集客」と入力すると様々なサジェストが表示されます。
そこからさらに「YouTube 集客 BtoB」と入力するなど、絞り込んでいきます。
こうして辿り着いたキーワードは、検索している人の悩みがより具体的で、競合チャンネルも少ない可能性が高いです。
外部ツールの検索ボリュームとYouTubeサジェストがズレている理由
vidIQやTubeBuddyなどの外部ツールを使うと、キーワードの検索ボリュームや競合スコアを数値で確認できます。
ただし、これらのツールの数値をそのまま判断基準にするのは避けた方が無難です。
理由は、外部ツールが表示する検索ボリュームと、YouTubeの検索窓サジェストに表示されるキーワードが必ずしも一致しないからです。
ツールが「検索ボリュームが少ない」と判定しているキーワードが、実際にはサジェストに頻繁に表示されているケースは珍しくありません。
逆に、ツールが「人気キーワード」と評価しているものが、サジェストにほとんど表示されないこともあります。
外部ツールはあくまでも参考情報として活用する程度にとどめ、実際のキーワード選定はYouTubeの検索窓で確認することを基準にしてください。
サジェストに出ても再生回数が多いキーワードは避ける
サジェストに表示されているキーワードであっても、すべてが狙い目というわけではありません。
そのキーワードで検索したときに表示される動画の再生回数が多い場合は、すでに競合が強いキーワードである可能性が高いです。
実際にそのキーワードで検索して、表示された動画の再生回数を確認してみてください。
上位に表示される動画が数万回〜数十万回再生されているなら、そのキーワードはすでに競争が激しいと判断できます。
一方で、上位動画の再生回数が数百〜数千回程度であれば、新しいチャンネルでも上位表示できる余地があります。
再生回数が少ない動画が上位に並んでいるキーワードこそ、YouTube SEO対策として狙い目のキーワードです。
「誰の・どんな悩みか」をサジェストから読み取る手順
サジェストキーワードは、そのまま使うだけでなく「誰がどんな状況で検索しているか」を想像する材料として活用してください。
例えば「YouTube 法人 集客」というサジェストが表示されたとします。
このキーワードで検索している人は、個人ではなく法人として集客にYouTubeを活用したいと考えている可能性が高いです。
さらに「YouTube 法人 集客 BtoB」と入力し直すと、よりターゲットが絞られたサジェストが出てくることがあります。
こうしてサジェストを深掘りしながら、ターゲットの悩みに近いキーワードを見つけていきます。
重要なのは、ツールのスコアではなく「このキーワードで検索してくる人は、どんな課題を抱えているか」という視点です。
この視点でキーワードを選べると、動画の内容も自然とターゲットの悩みに応えるものになっていきます。
競合が少ない検索で成果が出た事例
再生回数1,000回・商談5件・受注1件の法人向け営業代行チャンネル
実際に支援した法人向け営業代行会社のチャンネルでは、再生回数がわずか1,000回ほどの動画から商談5件・受注1件という成果が出ました。
このチャンネルが取り組んだのは、「法人営業」や「テレアポ」など競合が多い一般的なキーワードではありません。
YouTubeの検索窓でサジェストを深掘りしながら、競合チャンネルがほとんど動画を投稿していない具体的なキーワードを選んで動画を制作しました。
再生回数だけを見れば決して多い数字ではありません。
しかし問い合わせ率は非常に高く、少ない再生数で複数の商談につながりました。
なぜ少ない再生回数でもお問い合わせにつながったのか
この事例で成果が出た理由は2つあります。
1つ目は、動画を見た人の課題が明確だったことです。
競合が少ない具体的なキーワードで検索してくる視聴者は、すでに悩みが深く、解決策を真剣に探しています。
再生数は少なくても、視聴者の質が高いため問い合わせにつながりやすかったのです。
2つ目は、動画を見た後の導線が整備されていたことです。
このクライアントはホームページ上でホワイトペーパーを公開しており、ダウンロード時に会社名や担当者の連絡先を入力する設計になっていました。
動画から自然にホームページへ誘導され、ホワイトペーパーのダウンロードから商談へとつながる流れが機能しました。
SEO対策で上位表示されたとしても、その先の導線がなければ問い合わせにはつながりません。
この点については次の章で詳しく説明します。
SEO対策で上位表示された後に必要なこと
動画を見た人がそのまま問い合わせできる導線があるか
YouTube SEO対策で上位表示を狙う前に、確認してほしいことがあります。
動画を見た人がそのまま問い合わせや資料請求に進める導線が整備されているかどうかです。
どれだけ良いキーワードで上位表示できても、動画の概要欄にリンクがなかったり、リンク先のページで問い合わせの方法が分かりにくかったりすると、せっかく興味を持ってくれた視聴者が離脱してしまいます。
最低限、動画の概要欄には以下を用意しておくことをおすすめします。
サービス内容や問い合わせ方法がわかるページへのリンク、無料相談や資料ダウンロードができるページへのリンク、そして公式LINEや問い合わせフォームへの誘導文です。
動画内でもこれらを案内するひと言を入れると、視聴者が行動に移りやすくなります。
成約につながるキーワードと、再生回数を稼ぐキーワードは別物
YouTube SEO対策を考えるうえで、もう一点押さえておきたいのが、キーワードには「成約につながりやすいもの」と「再生回数を稼ぎやすいもの」の2種類があるという点です。
「YouTube 面白い」「〇〇 やってみた」のようなキーワードは再生回数を稼ぎやすい反面、視聴者の購買意欲や課題感は低い傾向があります。
一方で「〇〇 料金 比較」「〇〇 選び方 企業向け」のような具体的なキーワードは再生回数こそ少ないですが、問い合わせや成約につながりやすいです。
自社のYouTubeチャンネルの目的が集客や採用であれば、再生回数より成約につながるキーワードを優先して選んでください。 再生回数はあくまでも結果であり、目的ではありません。
「このキーワードで検索してくる人は、自社のサービスを必要としているか」という問いを常に意識しながらキーワードを選ぶことが、YouTube SEO対策で成果を出すための基本的な考え方です。
YouTube SEO対策の実践手順まとめ
STEP1:検索窓サジェストでキーワードを選ぶ
YouTubeの検索窓に大まかなテーマのキーワードを入力し、表示されたサジェストを確認します。
サジェストを深掘りしながら、ターゲットの悩みに近い具体的なキーワードを見つけます。
そのキーワードで実際に検索し、上位動画の再生回数が少ないことを確認してから採用するかどうかを判断します。
STEP2:タイトル・説明文にキーワードを自然に含める
キーワードが決まったら、動画のタイトルと説明文に自然に組み込みます。
タイトルはキーワードを含めつつ、視聴者がクリックしたくなるような具体性のある表現にします。
説明文にはキーワードを含めながら、動画の内容と問い合わせ先・関連リンクを記載します。
キーワードを不自然に詰め込むことは逆効果になります。
視聴者が読んで自然な文章の中に、キーワードが入っている状態を目指してください。
STEP3:投稿後にインプレッション・クリック率で仮説を検証する
動画を投稿したら、YouTubeアナリティクスでインプレッション数とクリック率を確認します。
インプレッションが増えていれば、そのキーワードで検索結果に表示されていることを意味します。
クリック率が高ければ、タイトルやサムネイルが視聴者の興味を引けていると判断できます。
インプレッションは多いのにクリック率が低い場合は、タイトルやサムネイルの見直しを検討します。
インプレッションが少ない場合は、キーワードの選び方や動画の内容がYouTubeに正しく認識されていない可能性があります。
投稿のたびにこの検証を繰り返すことで、自社チャンネルにとって効果的なキーワードのパターンが見えてきます。 YouTube SEO対策は一度設定して終わりではなく、仮説と検証を繰り返しながら精度を上げていくものです。
YouTubeアナリティクスの具体的な見方については、こちらの記事も参考にしてください。

キーワード選びの前に「そもそもチャンネルの方向性が合っているか」を見直したい方は、こちらも読んでみてください。

