YouTube運用を内製にして後悔する前に読んでください|外注との使い分け基準

「YouTube運用、社員にやらせればコストが抑えられる」と考えたことはありませんか。

たしかに外注費用は安くありません。
でも、そのまま内製化に踏み切って数ヶ月後に後悔するケースをこれまで何度も見てきました。

反対に、外注したはいいものの「丸投げしたら何も変わらなかった」という声も少なくありません。
内製か外注か、どちらを選んでも正しく使わなければ成果にはつながらないのです。

この記事では、YouTube運用支援の現場で見てきた失敗パターンをもとに、内製・外注の判断基準と正しい組み合わせ方をお伝えします。

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中島 康太

BANZAI PARTNERS

代表取締役

小学5年生から囲碁を始め、論理的思考を磨く。 トヨタ自動車では技能五輪の代表選手として電子機器組み立て職種に出場し、銅メダルを獲得。 回路設計・組み立て・プログラミングと複数の工程を経て1つのものが完成するプロセスが、 戦略・制作・導線設計を統合してはじめて成果が出るYouTubeマーケティングと本質的に同じ構造だと気づいたことが原点。 元エンジニアとしてデータ分析・自動化・仕組み化を強みとし、 約5年間にわたり企業のYouTubeチャンネルを集客・採用目的で支援。 自身でもなかしーの電子工作部を開設し、登録者数3.9万人を達成。

YouTube運用の「内製か外注か」より先に決めること

成果が出ないのは内製・外注の問題ではない

YouTube運用がうまくいかない企業に話を聞くと、「内製だから成果が出ない」「外注に変えれば解決する」と考えているケースが多くあります。

しかし実際には、内製・外注どちらであっても、成果が出ている企業と出ていない企業がいます。

成果の差を分けているのは「誰がやっているか」ではなく、チャンネルの設計と導線が整っているかどうかです。

どんな視聴者に向けて発信するのか。
動画を見た人がどこに移動して、どういう経路で問い合わせに至るのか。

この設計が曖昧なまま内製化しても、外注に切り替えても、再生数が少し増えるだけで売上は動きません。

「内製か外注か」を決める前に、まず自社の集客システムの設計ができているかを確認してください。

まず問うべきは「YouTube運用はコア業務か否か」

設計の次に問うべきは、YouTube運用の各タスクが自社のコア業務かどうかという視点です。

コア業務とは、自社のサービス品質や競合優位性に直結する業務のことです。
逆に言えば、外部に任せても自社の強みが損なわれない業務は、非コア業務です。

内製か外注かを決める際には、「コストが安いから」ではなく「そのタスクが自社にとってコア業務かどうか」を判断軸にしてください。

コア業務とは何か|YouTube運用に当てはめて考える

コア業務の定義と非コア業務の見分け方

コア業務を一言で表すなら、「その業務を他社や他人に任せたら、自社の価値が薄れてしまうもの」です。

たとえば飲食店のシェフが料理の技術を外注しないように、事業の根幹にあたる部分はコア業務です。
一方、清掃やデリバリーは品質基準を守れる外部に任せられるため、非コア業務と言えます。

YouTube運用に置き換えると、以下のように整理できます。

コア業務になりやすいもの

  • 動画への出演(顔・声・考え方を伝えるのは自社の人間でないと代替できない)
  • 企画の方向性・テーマ決め(自社の強みやUSPを最も理解しているのは内側の人間)
  • お客様との関係性を築くコミュニケーション

非コア業務になりやすいもの

  • 動画編集・テロップ挿入・サムネイル制作
  • 投稿作業・概要欄の入力
  • 機材のセッティングや撮影補助

この整理をしておくと、「どこを内製して、どこを外注するか」の判断が格段にしやすくなります。

出演はコア業務、編集・投稿は非コア業務になりやすい理由

視聴者がYouTubeのチャンネルを通じて得たいのは、情報だけではありません。
「この人の考え方が好き」「この会社に頼みたい」という感情的なつながりです。

その信頼関係を作るのは、動画に映っている人物の言葉・表情・雰囲気です。
外部スタッフが代わりに出演しても、その会社のファンにはなりません。

代表や担当者が出演することは、YouTube集客においてコア業務です。

一方、撮影した素材を編集してYouTubeにアップロードする作業は、クオリティの基準さえ伝えれば外部でも対応できます。

テロップのデザインや色調補正は、プロの編集者の方が高品質な仕上がりになることも多いです。

出演は内製、編集・制作は外注というハイブリッドモデルが、多くの中小企業にとって現実的な選択肢です。

担当者に編集を”押し付ける”と何が起きるか

内製化で最もよく見る失敗は「担当者1人にすべてを任せてしまう」ケースです。

企画・撮影・編集・サムネイル制作・投稿・コメント返信。
これらをすべて1人でこなすと、週に数時間ではとても回りません。

本来やるべき営業や顧客対応が後回しになり、担当者が疲弊します。

支援している企業でも、「動画は撮ったけど編集が溜まっている」「担当者が異動したら止まった」という状況は珍しくありません。

内製化が続かない最大の理由は、編集などの非コア業務が担当者の首を絞めるからです。

「社員に編集もやらせればコストゼロ」ではなく、「コア業務に専念させるために編集は外注する」という発想が、長続きするYouTube運用の基本です。

「社員に任せた方が安い」は本当か|コスト比較で考える

「外注すると費用がかかる。社員に任せればタダ」という考え方は、数字で見ると実態と大きくズレています。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、YouTube運用の担当者として多い20代後半の平均月収は約25万8,000円です。

ここに会社が負担する社会保険料(法定福利費・約16%)を加えると、会社が実際に負担するコストは月約29万9,000円になります。

これを所定労働時間(月160時間)で割ると、1時間あたりの人件費は約1,870円になります。

動画1本の編集にかかる時間は、素材の長さや編集の複雑さによりますが、テロップ・カット・サムネイルまで含めると最低でも4〜8時間はかかります。

慣れていない担当者であれば10時間以上になることも珍しくありません。

社員が編集する場合外注する場合
1本あたりの編集時間約6時間(目安)会社側の工数はほぼゼロ
1時間あたりの人件費約1,870円
1本あたりのコスト換算約11,200円30,000〜50,000円
月4本の合計約44,800円(人件費換算)120,000〜200,000円

数字だけ見ると社員が安く見えますが、見落としているコストが2つあります。

① 機会損失コスト
編集に6時間使った社員は、その時間に本来やるべき営業・顧客対応・商品開発ができません。
その業務が生む利益を考えると、編集に使った時間の機会損失は人件費換算よりはるかに大きくなります。

② クオリティコストと撮り直しリスク
編集に不慣れな担当者が作った動画は、クリック率や視聴維持率に影響します。
動画のクオリティが低ければ、再生されても離脱されやすく、チャンネル全体の評価が下がります。
結果として、「安く作ったのに成果も出ない」状態になりやすいです。

外注の場合、1本3〜5万円の費用はかかります。 ただし担当者はコア業務に集中でき、動画のクオリティも担保されます。
「編集を外注に任せたことで、1件の商談が増えた」なら、費用は十分に回収できます。

内製が向いているケース・向いていないケース

内製で成果が出やすい3つの条件

以下の3つが揃っているときは、内製化を前向きに検討できます。

① YouTube運用を専任で担える人材がいる
兼務ではなく、YouTube運用に時間を割ける担当者がいることが前提です。
週数時間の片手間で成果を出すのは、設計が整っていても難しいです。

② 社内に出演できる人がいて継続出演の意思がある
視聴者との関係性を作るのは継続です。
撮影のたびに出演者が変わる状況は、チャンネルの信頼構築を妨げます。

③ 集客システムの設計が先にできている
チャンネルのコンセプト・ターゲット・成約への導線が明確になっている状態で動画を投稿することで、少ない再生数でも成果につながります。
設計がない状態で内製化しても、何本投稿しても方向性が定まらないまま時間が過ぎていきます。

内製が失敗しやすいパターン

反対に、以下のパターンに当てはまる場合は内製化を急がない方が無難です。

  • 担当者が兼務で、月に使える時間が10時間未満
  • 「とりあえず投稿を続けること」が目的になっている
  • 編集スキルがない担当者に編集まで任せている
  • チャンネルの方向性が決まっていないまま動き始めている

これらは内製・外注の問題ではなく、設計と体制の問題です。 内製化の前に整えるべきものがあります。

外注が向いているケース・向いていないケース

外注で成果が出やすい3つの条件

外注は「お金を払えば成果が出る」ものではありません。 以下の条件が揃ったとき、外注は最大限機能します。

① 自社のUSP・ターゲット・ゴールを言語化できている
外注先に丸投げしても、自社の強みや届けたい相手が伝わらなければ、平均的な動画しか生まれません。
「競合と同じような動画」にならないためには、発注する側が方向性を持っている必要があります。

② 出演者が確保できていて、撮影に協力できる
編集だけを外注する場合でも、撮影素材を渡す側の負担は残ります。
「撮影も全部やってもらいたい」という場合は費用が大きく上がります。

③ 効果測定の指標と確認サイクルが決まっている
外注後に「お任せします」で終わると、月次レポートで再生数だけを確認する関係になりがちです。
クリック率・平均視聴維持率・LINE登録数など、成果につながる指標を外注先と共有して改善サイクルを回せる状態が理想です。

外注が機能しなくなるタイミング

外注していても、次のような兆候が出てきたら見直しのサインです。

  • 月次レポートに再生数と登録者数しか書かれていない
  • 「どの動画から問い合わせが来たか」を誰も把握していない
  • 動画の企画を全て外注先に任せていて、自社のサービスの強みが伝わっていない
  • 担当者が変わるたびにトンマナや方向性がブレている

外注先がYouTubeの数字しか見ていないケースは実際に多く、成果が出ないまま費用だけ払い続ける状態になりやすいです。

内製と外注の正しい組み合わせ方

「出演=内製、制作=外注」が機能する理由

多くの中小企業に合っている形は、出演・企画の方向性は内製、編集・制作は外注という役割分担です。

出演者が動画の中で自社のサービスや考え方を語ることは、外部スタッフには代替できません。
顧客との信頼関係を作るのは、画面に映る人間の言葉と表情です。

一方で、撮影した素材をプロが編集することで、動画のクオリティは確実に上がります。
テロップのデザイン・カット割り・サムネイルのクオリティは、視聴者のクリック率にも影響します。

コア業務に集中できる人が出演に専念し、非コア業務は専門家に任せる。
この分担が、コストと成果のバランスが取れた運用体制です。

外注先に丸投げしてはいけない部分

外注していても、次の3点は自社が責任を持ち続けてください。

① 集客システムの設計
チャンネルのゴール・ターゲット・成約への導線は、自社のビジネスを最も理解している人間が設計すべきです。
外注先はYouTubeの専門家ですが、あなたのビジネスの専門家ではありません。

② 効果測定と改善の意思決定
クリック率が低い・LINE登録率が上がらないといった数字の変化に対して、何を優先して改善するかは発注者側が判断すべきです。
外注先に改善の判断まで任せると、YouTube内の指標最適化に終始してしまいます。

③ 出演と情報発信の質
動画の撮影現場での発言内容・伝えるメッセージの精度は、回を重ねるごとに高めていく必要があります。
ここは外注でカバーできない部分です。

内製化を検討するなら最初にやること

体制づくりの前に整備すべき集客システム

内製化を進める前に、まず問うてほしいことがあります。 「今、YouTube以外の集客システムは機能していますか?」

動画を見た視聴者が問い合わせに至るまでには、動画の外に導線が必要です。
公式LINEやホワイトペーパーへの誘導、そこからの申し込みフォームまで、一連の流れが整っていない状態で動画本数を増やしても、再生数は増えても売上には直結しません。

内製化を検討するタイミングで、合わせてこの導線の整備状況を確認してください。

効果測定ができない内製は続かない

内製化したあとに多くの企業がつまずくのが、効果測定の仕組みがないまま運用を続けてしまうことです。

何本投稿しても成果の手応えがなければ、担当者のモチベーションは下がります。 月次でインプレッション・クリック率・平均視聴維持率の3指標を確認し、前月と比べてどう変化したかを振り返るだけでも、改善の手がかりが見えてきます。

効果測定はスコアカードではなく、仮説検証のツールとして使ってください。 「この企画のクリック率が上がった理由は何か」を考えることが、次の動画の精度を高めていきます。

まとめ|内製か外注かは「コア業務かどうか」で決める

この記事の内容を整理します。

  • 内製か外注かより先に、集客システムの設計ができているかを確認する
  • 判断軸は「コスト」ではなく「その業務がコア業務か否か」
  • 出演・企画の方向性はコア業務として内製、編集・制作は非コア業務として外注が機能しやすい
  • 担当者に編集を押し付けるとコア業務に集中できなくなり、運用が続かなくなる
  • 外注でも、集客システムの設計・効果測定・出演の質は自社が持ち続ける

「内製か外注か」という二択で考えるのをやめて、「何を内側でやり、何を外側に任せるか」を設計する視点で考えてみてください。

その判断ができたとき、YouTube運用は初めてレバレッジがかかり始めます。

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