動画を投稿するたびに、再生回数を確認してしまう。
思ったより伸びていない。
でも理由が分からないのでとりあえず次の動画を作る。
そんなサイクルを繰り返していませんか?
YouTubeに動画を投稿し続けているのにもかかわらず成果が出ない場合、多くの人は「本数が足りないのかも」「クオリティが低いのかも」と自分を責めがちです。
しかし、伸びない本当の原因は努力の量やクオリティではないことがほとんどです。
この記事では、すでにYouTubeを運用している方に向けて、伸びない原因を正しく特定し、次の投稿を”予想通りにコントロールできる状態”に変えるための考え方と手順をお伝えします。
YouTubeが伸びないのは本数を増やしても解決しない
「まずは100本投稿してみよう」「継続すれば必ず結果が出る」といったアドバイスを耳にしたことがある方は多いと思います。
継続すること自体は大切です。
しかし、方向性が間違ったまま本数だけ増やしても、消耗するだけで成果に繋がりません。
例えば、サムネイルが視聴者に刺さっていない状態で50本投稿しても、クリックされない動画が50本並ぶだけです。
この記事の後半で説明しますが、企画の方向性がズレていれば、再生回数が積み上がらないまま時間とリソースだけ消費されていきます。
それだけではなく、このまま続けてもいい未来をイメージできないから継続するモチベーションが消えていくことでしょう。
論より証拠ということで僕が手がけるチャンネルは10~20本ほどで伸び始めることが多いです。
僕が最初に立ち上げた『なかしーの電子工作部』は68本でチャンネル登録者数が3.9万人います。
他にも僕が手掛けている『日本がよくなるシゴトずかん』は12本の動画でチャンネル登録者数8.4万人います。
このような実績を生み出すことができるのは「分析」しているからです。
伸びない=失敗ではなく問題は予測できないことである
ここで少し視点を変えてみてください。
「YouTubeが伸びない」こと自体は実は問題ではありません。
本当の問題は、なぜ伸びないのか把握できないことであり、次の投稿がどうなるかを予想できないことです。
再生回数が少なくても、その理由を理解したうえで意図的にそうしているなら、それは戦略です。
しかし、理由もわからず伸び悩んでいるなら、それは改善が必要なサインです。
BANZAI PARTNERSが提唱する目指すべきゴールは「バズること」ではなく「投稿前の予想と投稿後の結果がほぼ一致する状態」です。
つまり、YouTubeの再生回数をこちら側でコントロールできる状態を目指すべきだということです。
YouTubeが伸びないときに確認すべき3つの指標
YouTubeが伸びない原因を探るとき、YouTubeアナリティクスを確認しましょう。
動画を投稿する時に一度は「アナリティクス」という文字を見たことがあると思います。
普段見ている人もYouTubeアナリティクスのどこを見ればいいかわからず、結局何もしないままという方は少なくありません。
見るべき指標はたくさんあるように見えますが、最初に確認すべきはたった3つだけです。
YouTubeが伸びないときに確認する指標①:インプレッション数
インプレッション数とは、動画のサムネイルがYouTube上に表示された回数のことです。
この数値が低い場合、動画が視聴者の画面にそもそも表示されていないことを意味します。
他の2つの指標よりもまずはここを確認してください。
インプレッション数はチャンネルの規模や投稿直後の初速に大きく影響されます。
YouTubeアナリティクスだと期間の設定に「最初の24時間」があり、動画単体ではなく他の動画と比較することをおすすめします。
BANZAI PARTNERSでは、チャンネルごとにスプレッドシートを用意して投稿した動画を相対比較できるような表を用意して管理しています。
YouTubeが伸びないときに確認する指標②:クリック率
クリック率とは、動画が表示されたときに実際にクリックされた割合のことです。
この数値が低い場合、サムネイルやタイトルが視聴者の興味を引けていないことを意味します。
どれだけ良い内容の動画でも、クリックされなければ再生回数は伸びません。
クリック率も期間の設定を「最初の24時間」に設定して、他の動画と相対的に比較することをおすすめします。
絶対値的な評価をするならチャンネルを開設したばかりであれば最低でも5%を狙いたいです。
5%を下回る場合は、サムネイルとタイトルの改善が最優先です。
YouTubeが伸びないときに確認する指標③:平均再生率
平均再生率とは、動画全体のうち平均してどれくらいの割合まで視聴されているかを示す指標です。
この数値が低い場合、クリックはされているが、途中で離脱されていることを意味します。
原因としてよくあるのが「企画がニッチすぎる」「冒頭で視聴者を引き込めていない」といったケースです。
平均再生率は動画尺によって目安が変わります。
| 動画尺 | 平均再生率の目安 |
|---|---|
| 10分 | 40% |
| 20分 | 30% |
| 30分 | 20% |
インプレッション数×クリック率の4パターンで「伸びる動画の要素」を抽出する
インプレッション数とクリック率は相関関係にあります。
この2つを元に4つのパターンに分類することで伸びる動画の要素を把握できます。
| インプレッション数 | クリック率 | 状態と打ち手 |
|---|---|---|
| 高い | 高い | 理想の状態でこのタイトルの要素を横展開する |
| 高い | 低い | 露出はしているがサムネイルとタイトルを改善する余地あり |
| 低い | 高い | タイトル・サムネイルは良いが拡散する母数が少ない状態 |
| 低い | 低い | 露出も反応もない。全ての見直しが必要 |
この4パターンの中でとくに注目してほしいのが「インプレッション数:高い×クリック率:高い」動画です。
この条件に当てはまる動画のタイトルをチャンネル内でひたすら集め、以下の観点で共通点を探してみてください。
- 使われている言葉の傾向:どんなキーワードが含まれているか
- テーマやトピックの傾向:どんな題材のときに反応がいいか
- 構文や構造の傾向:「〇〇する方法」「〇〇の理由」などタイトルのパターン
この作業を通じて「自分のチャンネルの視聴者が反応するタイトルの型」が見えてきます。
競合チャンネルの登録者数より再生回数が多い動画は何かしら伸びる要素を含んでおり、それらを分析するとさらに精度が上がります。
YouTubeで伸びないチャンネルに共通する「事前分析の欠如」
YouTubeアナリティクスで現状を確認することは重要です。
ただ、それはあくまでも「投稿後の改善」です。
多くのチャンネルが見落としているのが、投稿前の設計段階での分析です。
伸び悩んでいるチャンネルの多くは、この事前分析が抜け落ちているもしくは分析の精度が低いかのどちらかです。
ここで活用できるのがマーケティングの基礎である「3C分析」というフレームワークです。
3C分析をYouTubeに当てはめるとどうなるか
3C分析とはもともとビジネス戦略で使われるフレームワークでCustomer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社) の3つの視点から状況を整理するものです。
これをYouTubeのチャンネル設計に当てはめることで、「なぜ伸びないのか」の根本原因が見えてきます。
Customer(視聴者):誰に届けるかが決まっていない
「誰でも見られる動画を作ろう」と考えると、結果として誰にも刺さらない動画になりがちです。
視聴者分析では、どんな人が・どんな状況で・何を知りたくてこの動画を見るのかを具体的に言語化することが重要です。
競合チャンネルのコメント欄や、YouTube検索に表示されるサジェストキーワードを見ると、視聴者がどんな言葉で検索し、何を求めているかのヒントが得られます。
Competitor(競合):競合チャンネルから学べることを見逃している
競合チャンネルを「真似しないようにしよう」と距離を置いている方もいますが、実はそこに重要な情報が詰まっています。
再生回数が多い動画のタイトル・サムネイル・構成を分析することで、視聴者が求めているテーマや表現のパターンが見えてきます。また、再生回数が少ない動画を見ることで、「やってはいけない企画」のヒントも得られます。
競合チャンネルはリサーチの教材です。定期的にチェックする習慣をつけてみてください。
Company(自社):自社の強みがコンテンツに活かされていない
「他のチャンネルと同じようなことを発信している」という状態では、視聴者があなたのチャンネルを選ぶ理由がありません。
自社のサービス・商品・経験・ノウハウのうち、競合チャンネルが発信できていないオリジナルの視点はどこかを明確にすることが、チャンネルの差別化につながります。
「うちには特別なことがない」と感じる方も多いですが、実務の中にある具体的なエピソードや数字こそが、視聴者にとってはもっとも価値のある情報です。
分析をもとに次の投稿を「予測通りにコントロールする」ために
3C分析で事前設計を整え、アナリティクスで投稿後の結果を検証する。
この2つのサイクルを回すことで、少しずつ「予測と結果が一致する状態」に近づいていきます。
ここでは、アナリティクスの診断結果別に、具体的なアクションをお伝えします。
クリック率が低い場合:サムネイルの改善アプローチ
クリック率が低いときは、まずサムネイルを見直します。
YouTubeは複数の動画が並んだ状態から視聴者が1本を選ぶ場所です。
しかもスクロールしながら見るため、判断にかかる時間はほんの一瞬です。
その一瞬で目に留まらなければ、どれだけ内容が良くても再生されません。
サムネイル改善の基本的な方向性は以下の通りです。
- 文字数を減らし、フォントを大きくする:小さな文字は一瞬では読めない。伝えたいことを1〜2語に絞り、画面の小さいスマートフォンでも視認できるサイズにする
- 動画の内容を画像で先に見せる:テキストより画像の方が瞬時に伝わる。「この動画を見るとどうなるか」をビジュアルで予告する意識を持つ
- 視認性を最優先に設計する:色のコントラスト・人物の表情・背景のシンプルさなど、一目で何の動画かわかるかどうかを基準にする
ただし、これらを「とりあえずデザインを整える」という発想で実行しても、効果は限定的です。
サムネイルで何を打ち出すかは、視聴者が何を求めているかによって変わります。
たとえば、同じ「YouTube運用」をテーマにした動画でも、視聴者が「失敗したくない」という不安を抱えているなら「やってはいけない〇〇」という切り口が刺さります。
「早く成果を出したい」という欲求が強いなら「最短で〇〇する方法」の方が反応されます。
この視聴者ニーズの把握は、3C分析のCustomer(視聴者)の整理なしには難しい部分です。
サムネイルの改善は、デザインの問題である前に「誰に・何を伝えるか」の設計の問題でもあります。
平均再生率が低い場合:企画の見直しアプローチ
平均再生率が低いときは、企画の方向性または動画の構成に問題があります。
よくある原因と対策は以下の通りです。
- 企画がニッチすぎる:特定の人にしか刺さらないテーマは拡散されにくい。「誰もが知っていること」を入り口にして、専門的な内容に引き込む構成を意識する
- 冒頭30秒で離脱されている:最初に「この動画を見るとどんな得があるか」を明示する
- タイトルと内容がズレている:タイトルで約束したことを、動画の中でしっかり果たせているか確認する
どちらも低い場合:コンセプト設計から見直す
クリック率も平均再生率も低い場合、個別の改善より先にチャンネルのコンセプト自体を見直すことを検討してください。
「誰に・何を・なぜ届けるのか」が曖昧なまま運用を続けても、改善の効果が出にくい状態です。
3C分析に戻り、視聴者・競合・自社の整理からやり直すことが、結果的に近道になります。
YouTubeで成果を出すのは「伸ばすこと」より「コントロールできること」
YouTubeで大切なのは、再生回数を最大化することではありません。
「この企画はこれくらい届くはずだ」という予測を立て、その通りに動かせる状態にすること。
そのためには、投稿前の3C分析と、投稿後のアナリティクス検証を継続的に行うことが欠かせません。
「何を直せばいいかわからない」という状態から抜け出すために、まずは今日、自分のチャンネルのインプレッション数・クリック率・平均再生率の3つを確認するところから始めてみてください。
